プレスリリース

Edgecore Networks、1Finity、Liqid、シームレスなオールフォトニクスネットワークによる最先端の分散データセンターソリューション提供に向け協業を開始

Accton Technology Corporation(注1)の子会社であるEdgecore Networks(注2)、富士通グループにおいてネットワーク事業を担う1FINITY株式会社(注3)(以下、1Finity)、Liqid Inc.(以下、Liqid)(注4)は、シームレスなオールフォトニクスネットワーク接続により、数キロメートルから数百キロメートルに及ぶ長距離間で分散データセンター構築を可能にする最先端のソリューションを開発、提供するための戦略的協業に関する覚書を締結しました。

本ソリューションは、ソフトウェア定義のコンポーザブルインフラストラクチャソリューション(注5)を介した広域リソース共有をサポートするように設計されており、GPU、FPGA、メモリ、ストレージといった重要なリソースを動的に拡張し、地理的に分散した環境で最適化することができます。また、企業のお客様がラック、キャンパス、複数のサイトにわたってAIデータセンターをシームレスに接続・拡張し、リアルタイムでワークロードの要求を満たすなど、スケーラブルな高帯域幅の相互接続により、長距離にわたって効率的なデータ移動を可能にします。これらのテクノロジーを組み合わせることで、AIデータセンター間の協調が可能になるとともに、ラックレベルからキャンパス規模へのインフラストラクチャ拡張を簡素化し、低遅延、大容量のAIおよびHPCワークロード向けに最適化された、大規模クラスターおよびマルチデータセンター接続のための光ネットワーク基盤を提供します。本ソリューションは、RDMA(Remote Direct Memory Access)(注6)およびNVMe-oF(Non-Volatile Memory express – over Fabrics )(注7)プロトコルの両方に対し、高い伝送速度、低遅延、かつスループットの劣化もない状態を維持するように設計されています。

3社は、2025年11月16日(日曜日)から21日(金曜日)にミズーリ州セントルイスで開催される「SC 25サミット」のブース5311において、本ソリューションを出展します。本ソリューションは、2026年3月末より提供開始する予定です。

各社の役割

Edgecore Networks
オープンネットワーキングおよび光ソリューションの包括的なポートフォリオとして、以下のソリューションを提供

  • 光波長スイッチ:中間波長でプログラマムされたスイッチで、リーフ層のトラフィックを集約、ルーティングし、DWDM(Dense Wavelength Division Multiplexing)(注8)とその波長スイッチングによる制御により、ネットワークインフラストラクチャの利用率を向上
  • データセンタースイッチ: オープンネットワーキング標準に基づき、スケーラブルでプログラマブルなデータセンターファブリックが可能
  • 管理スイッチ: ネットワークレイヤー全体における堅牢な制御とオーケストレーションを実現

1Finity
先進的な光ネットワークプラットフォームとして、以下のコンポーネントを提供

  • 光ネットワークインターフェースカード(NIC): 超高速でエネルギー効率に優れた、プログラマブルな光伝送を実現
  • Ultra Optical System P300シリーズコヒーレントプラガブルトランシーバー: 800G ZR/ZR+光通信をサポートし、エッジからメトロ、長距離ネットワークまで柔軟なネットワーク展開が可能

Liqid
以下の機能を実現する、PCIe Gen5(注9)ベースのソフトウェア定義コンポーザブルインフラストラクチャソリューションの提供

  • Liqid Matrixソフトウェアを活用した、データセンターファブリック全体でのGPU、FPGA、ストレージ、コンピューティングリソースの動的割り当てが可能
  • AI、ML、データ集約型ワークロード向けにパフォーマンスと効率を最大化するリアルタイムのインフラストラクチャ再構成が可能

今後の展開予定

今後も3社は、以下の実現に向けて協力して取り組みます。

  • 最新のワークロードに対応する超高伝送速度
  • リアルタイムアプリケーション向けの低遅延パフォーマンス
  • メトロおよび地域データセンター間での長距離接続
  • RDMAおよびNVMe-oFに対するスループット劣化のないシームレスな光伝送技術の融合
  • スケーラブルで効率的なインフラストラクチャ構築に向けた広域リソースの共有

本件に関するお問い合わせ

Edgecore Networks President ミンショウ・リューのコメント

サーバユーザーがAIをラックからグローバルなクラスターへと拡張するにつれて、堅牢でプログラマブル、かつあらゆる状況に対応できるオープンネットワーキングが必要になります。当社は、AIイノベーションのスピードに追随できるスイッチングファブリックを提供しており、Liqidおよび1Finityとのパートナーシップにより、協調的なマルチデータセンターAIインフラストラクチャの新時代を切り開いていきます。

1Finity株式会社 フォトニクスシステム事業本部長 松井 秀樹のコメント

AIの未来は、接続するサーバのコンピューティング能力だけでなく、動的なネットワークにも依存します。当社のモジュール型光プラットフォームにより、キャンパス間およびデータセンター間でLiqidのコンポーザブルリソースを拡張し、低遅延・大容量の相互接続を可能にします。私たちは協力して、将来の分散型AIクラスターの構築に向けた光ネットワーク基盤を築いていきます。

Liqid Inc. CEO エドガー・マスリのコメント

AIインフラストラクチャは、サポートするワークロードと同じくらい迅速に適応しなければなりません。GPU、メモリ、ストレージにソフトウェア定義の構成可能性をもたらすことで、当社は、単一のラック内や複数のデータセンター間において、リソースを即座に供給できることを保証します。Edgecore Networksおよび 1Finityとの今回の協業により、静的なインフラストラクチャでは決して実現できない俊敏性と拡張性を達成できます。

注釈

注1 Accton Technology Corporation:本社 米国、President JACKAL LEE

注2 Edgecore Networks:本社 米国、President Mingshou Liu

注3 1FINITY株式会社:本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 森林 正彰

注4 Liqid Inc.:本社 米国、CEO Edgar Masri

注5 RDMA:ネットワークを介して、あるコンピューターのメモリから別のコンピューターのメモリへ、CPUを介さずに直接データを転送する技術

注6 NVMe-oF:ストレージとサーバ間の接続の高速化と効率化を実現する技術